徒然草

日常徒然やTwitterじゃ足りなく、文章にするには短い萌をツラツラと書き殴る予定。生まれながらの腐女子。只今、YGO海表再熱中。 HPではYGO→海表。pixivでは進撃→リヴァエレ。ヒロアカ→轟出。K→猿美。東京喰種→平有。青エク→メフィアマ。黒バス→原花、高緑、木宮、紫氷、水金、諏佐今など書いてます。 固定CP派。

寝室籠城事件(猿美)

 

仕事から帰って来たらリビングにコンビニの弁当とミミズののたくったような文字で書かれたメモが置いてあった。

なので、愛の力で解読してみた。

猿比古へ

インフルエンザになったから暫く寝室にこもる。

俺が治るまで絶対に入るなよ。

着替えはソファーのとこに布団と一緒に置いてあるから。

飯は自分でどうにかしろ、卵の賞味期限が近いから使っていいぞ。

 

 

「インフルか…‥って美咲!!!」

 

 

慌てて寝室に行くが、鍵は付いてないはずなのにドアが開かない。

ガチャガチャとドアノブを回しているとタンマツにメールが届いた。

 

 

【うるせーよ】

 

「いや、おかしくない??感染らないように気を遣ってくれるのは嬉しいけど顔ぐらい見てもいいだろ?!!!」

 

【顔見なくてもいいだろ】

 

「いや、見たいだろう?!俺等夫婦だよね?!!心配だろ普通に考えて!!!」

 

【大丈夫だからほっとけ】

 

「ほっとけないだろ!!!ちょっとぐらい開けろよ!!!!」

 

【もう寝る】

 

「待てって!!!つーか俺職場でインフルエンザの予防接種打ってるから感染らないっての」

 

【予防接種を打っても症状が軽くなるってだけでかかる場合もあるんだよ】

 

「チッ…‥最近主婦力上がってるせいで引っかからないか」

 

【しかもインフルエンザA型に掛かってもB型に掛かる場合もあるんだぞ】

 

「はぁ…‥解かったよ、何かあったら無理せず言えよ?」

 

【おう、迷惑かけちまって悪いな。おやすみ】

 

「うん…‥おやすみ」

 

 

これ以上言い合い?をしても美咲が熱がある状態だったらキツイだろう。

俺は項垂れながらリビングに戻ると、冷えた弁当を電子レンジに突っ込むとソファーに腰掛ける。

 

 

 

「はぁ…‥美咲大丈夫なのかよ…‥」

 

 

一体どんな状態かも解からない。

様子をみるにも寝室には入れないし、寝室に入れないと監視カメラも見れない。

俺が心配したところで美咲のインフルエンザが治るわけじゃないけど、やっぱり旦那としたら心配だろ。

 

 

「…‥コンビニ弁当って久しぶりに食うな」

 

 

ここ最近は泊りがけの仕事以外では三食全部美咲の手作りだ。

昔はただ味が濃いのが好きだったんだけどな、最近は美咲の味が好みになってる。

 

 

 

「あー…‥美咲の料理食いてぇ…‥」

 

 

 

電子レンジから弁当を取り出すと、とりあえず唐揚げを口に入れる。

皮が油でギトギトで思わず吐いた。

次の朝、ドアの前で美咲に行ってきますと声を掛けるとタンマツにいってらっしゃいとメールが来た。

起きてたのか、今日は早めに帰って来よう。そう思いながら憂鬱な職場に向かった。

帰宅後、相変わらずドアは開かず寝室の前でメールのやりとりのみだった。

 

 

「熱は下がった?」

 

【まだちょっとある】

 

「何か欲しい物ある?」

 

【買いだめしたから平気。猿比古こそ飯ちゃんと食ってるか?】

 

「うん…‥けどあんまり食欲わかねぇんだよ」

 

【インフルエンザか?!】

 

「違ぇよ…‥美咲の飯が食いたい」

 

【ごめん】

 

「早くよくなれよ」

 

【うん】

 

「おやすみ」

 

【おやすみ】

 

 

 

そんなメールのやりとりを続ける事約5日間。

深刻な美咲不足と部下の脳味噌不足でボロボロになりながら帰宅すると、キッチンから料理をする音が聞こえた。

慌ててブーツを脱いでリビングへダッシュで向かうとマスクをした美咲がネギを刻んでいた。

 

 

 

「ッ…‥美咲!!!」

 

「おう、おかえり」

 

「もう大丈夫なのか?!」

 

「なんか熱出てから3日ぐらいで感染しなくなるらしいからちょっとまだ咳出たり鼻水出るけど」

 

「…‥よかった」

 

「待て、抱き付く前にうがい手洗いして来い」

 

「はい…‥」

 

 

言われた通りにうがい手洗いをしたらもうテーブルに夕飯が並べられていたのでキスもハグもお預けにされた。

洗い物は俺が買って出て、終わったら速攻ソファーに座っている美咲の横に座ると抱き付いた。

 

 

 

「美咲美咲美咲美咲美咲美咲美咲美咲美咲!!!!」

 

「うっせーな…‥そんな呼ばなくても聞こえてるっての」

 

「心配だし寂しいし美咲足りなくて死ぬかと思った…‥」

 

「お前なぁ、そりゃウィダーばっかの飯じゃ死ぬぞ」

 

「違う、俺が言いたいのは精神的にって話」

 

「まぁ…‥その…ごめん…‥」

 

 

美咲の額にキスをすると、腕を解き美咲の手を握る。

美咲の声、美咲の匂い、美咲の体温。

渇いた心が潤っていくような不思議な感覚が体中を巡る。

 

 

 

「来年は美咲も予防接種受けような」

 

「うん」

 

「けど、もし掛かっても今度はせめてドアは開くようにして。マジで俺美咲に逢えなくて死にそうだったんだから」

 

「だってお前最近忙しそうだったから…‥もし感染ったらマズいと思って」

 

「病は気からって言うじゃん、美咲に逢えなくて俺マジで病みそうだったんだよ?!」

 

「通常運転な気もするけど…‥まあ、来年はかかんねぇようにもうちょっと体鍛えっかな」

 

 

 

そう笑うと美咲はマスク越しにキスを落とすと、体力作りをしたいからと丸を付けた求人雑誌を差し出して来た。朝から午後3時ぐらいのタイムシフトのようだ。俺は雑誌を受け取るとゴミ箱にそれを放り投げ、美咲のマスクを外してキスをした。

 

END.